ごはんの力を引き出すみそ汁の魅力 ~米×大豆は最強コンビ~ 2018年09月21日

健康のための食事についての情報が溢れる中で、
特定の食材や栄養について体に‘良い’とか‘悪い’という視点の捉え方が一般的になっています。
はっきりジャッジした方が分かりやすいこともあり、メディアでの取り上げ方は偏りがちです。
良いと言われるものでもそればかりではバランスが悪くなりますし、
悪いと言われるものでも摂り過ぎなければ大丈夫。何ごともバランスが大切ということです。

 

バランス感覚というのは曖昧になりがちで伝えるのが難しいのですが、
日本人の食生活においては「ごはんを中心に考える」ことで、
バランスが取りやすく、状況に応じた調整がしやすくなるためごはん生活をお勧めしています。

 

その理由は、お米は栄養面においてマルチ食材と言ってもいいほどバランスが取れているからです。
生きていく上で欠かせないエネルギー源としての炭水化物を中心に、体の材料となるたんぱく質、
代謝するうえで必要不可欠なビタミンやミネラル、さらには食物繊維も含み、唯一少ないのは脂質です。
脂質は現代人の食生活においては余程偏った食生活をしない限り脂質が不足することはなく、
むしろ摂りすぎになりがちのため、むしろ少ないのがちょうどいい。
だから、ごはんを中心にすることで全体のバランスが整いやすいのです。

 

さらに、私が注目しているのはお米の持つたんぱく質の力です。
一般的には炭水化物の塊だと思われていて、たんぱく質のイメージはほとんどありませんよね。
たんぱく質をしっかり摂りましょう、という時にごはんを勧めている栄養士さんも少ないです。

 

しかし、お米の消費量が劇的に減った現代の日本人の食生活においても、意外なことに一番のたんぱく源はお米なのです。
厚生労働省の行っている国民健康栄養調査でも、肉や魚よりも、お米などの穀物がトップとなっています。
食材100gあたりで見た時は、肉や魚の方がたんぱく質の含有量が多いのですが、
1日に食べる量が多いお米の方が総摂取量ではお米の影響力が大きくなります。

 

たんぱく質については、量と共に重要なのが質の面です。
たんぱく質を構成するアミノ酸の状態を表わす「アミノ酸スコア」とい指標によって栄養的価値が評価されます。
肉や魚などの動物性のたんぱく質はアミノ酸スコア100とベストとされていますが、
お米のたんぱく質は65程度、同じ穀物でも小麦は35程度と低くなります。

 

その解決法が食材の組み合わせ方にありました。
お米に足りないアミノ酸を補ってくれるのが「大豆」です。
和食においては大豆を様々な形で摂りますね。栄養的に見て完璧な組み合わせといえます。

 

その中でも大豆を発酵させた味噌や納豆は、アミノ酸の吸収も良くなっているためごはんとの相性も抜群です。
さらに、みそ汁という料理法は、野菜や改装などを具材として一緒に摂れるうえ、温かいということもプラスとなります。

 

ちょっとした組み合わせで、効果倍増になるなんてお得ですよね。
「お米には大豆!」を合言葉にしましょう♪

柏原 ゆきよ先生プロフィール

  • 一般社団法人 日本健康食育協会 代表理事 一般社団法人 食アスリート協会 副代表理事 一般社団法人 日本こども成育協会 アドバイザー 管理栄養士

    4万人以上の食サポートの経験から、日本人の体質とライフスタイルに着目し、お米(雑穀米)を主軸に「しっかり食べて太らないカラダづくり」を目指す独自のメソッドを確立。 これまで多くのトップアスリートや企業経営者、モデルなどへ食生活サポートやアドバイスを行い、テレビ・新聞・ラジオ・雑誌など多数のメディアに出演。 子どもから高齢者、女優やトップアスリートなど幅広いクライアントへの結果の出るアドバイスに定評がある。 20年におよぶ健康ブランディングの専門家として社員研修やメニュー開発、大人向け食育セミナーの監修、上場企業や全国の地方自治体と健康プロジェクトを推進するなか、「健康食育マスター講座」を主宰し、健康食育の専門人材育成にも力を注いでいる。 また、2008年より定食チェーン大戸屋の食育プロジェクトにて、社員研修、メニューアドバイス、食育セミナーの監修などを行う。 著書は、『~ズボラな人に朗報!~食べて飲んでおなかからやせる』(かんき出版)、『お腹からやせる食べかた』(講談社)など累計 10 万部を超える。 そのほか、食べてやせる具体策をお届けする無料メルマガ『おなかやせメール』も人気となっている。