ごはんで解決!⑫ ~夏バテ・秋バテから回復し、秋の旬を楽しむ身体の整え方~ 2020年10月20日

今年は、新型コロナの影響で日常生活が今までとは異なり、当たり前だったことを、改めて見直したり、体温を毎日図ったり、ご自身の体調に向き合う時間も増えていると思います。

また、天候も例年とは異なり、長雨、そして急な猛暑、そして最近、めっきり朝晩は冷え込み、日々の気温差も大きくなっています。

そんな中、夏からの疲れがなかなか抜けない・・・一向に食欲がわかない・・・涼しくなってきたのに「夏バテ」のような状態が続いている・・・

そんな「秋バテ」の方が増えているように思います。皆さんは、大丈夫ですか?

そもそも「夏バテ」は、湿度や気温の変化に身体がついていかず、胃腸の機能が低下することで起こります。

特に今年は、新型コロナの影響と長引く梅雨の影響で、外で体を動かし、体内の循環をよくしたり、気分転換をしたりする機会もなかなかありませんでした。

そして、急に訪れた酷暑の日々。

熱中症対策ということで、エアコンの効いた室内で、水分補給を欠かさないために冷たいものを飲んでいた方も多いかもしれません。

しかし、身体を動かさず、冷たいものを多く摂ると、身体の中が冷えた状態になり、内臓の筋肉の動きが悪くなります。

冷えると特に胃腸機能が低下し、食欲不振につながります。

食事をしっかり摂らないと、身体に必要なエネルギーも栄養も十分に体内に行きわたらないことから疲れやすくなります。

その状態が改善しないまま、味覚の秋を迎え、

「食べたい!」という気持ちが回復しても、胃腸機能が急に戻るわけではないので、さらに胃腸に負担がかかり、スッキリしない体調が続く・・・

これが秋バテの正体です。

夏バテも秋バテも、原因は、私たちが普段あまり自覚することがない「身体の中の冷え」そして、「自律神経の乱れ」です。

今年はマスクをしている時間も長いことから、頭部が熱を帯び、自身の身体の冷えに気づかない方が特に多いようです。

「冷え」や「自律神経の乱れ」は、免疫機能も低下させますし、

本格的な寒さが到来する前に、この「冷え」と「自律神経の乱れ」を整え、食欲の秋を楽しみたいと思いませんか?

「冷え」対策としては、意識的に身体を温めることが大切です。

この時期は気温の低さに身体もまだ慣れていませんので、上着や下着で体温を外から冷やさないようにする工夫もおススメです。

そして、身体の中の冷え対策としては、温かいものを食べる。冷たい飲み物を控えるようにする。それだけでもだいぶ変わると思います。

また、「自律神経の乱れ」を整えるためには、規則正しい食事をすることが一番効果的です。

食事は、副交感神経を優位にするスイッチが入り、身体の循環を高めてくれます。

もちろん、ただ、食事をすれば良いわけではなく、出来ればよく噛むこと。

よく噛むことで、唾液の分泌量が増し、胃腸機能が活発になります。

特に「ごはん」は、麺類やパンに比べて自然と噛む回数が増え、体内の代謝をあげる役割を果たしてくれます。

また、脂質も少ないことから、「夏バテ」「秋バテ」以降、まだまだ本調子にならない胃腸に負担をかけることなく、機能を戻すにはうってつけの食材です。

また、旬のきのこや、レンコンなどの根菜類、秋の味覚は、いずれもごはんに合うものばかり。

身体の調子がなかなか戻らないと思われているときこそ、

温かいごはんとお味噌汁をよく噛んでゆっくり味わいながら、体内の冷えと自律神経の乱れを整えて欲しいと思います。

柏原 ゆきよ先生プロフィール

  • 一般社団法人 日本健康食育協会 代表理事 一般社団法人 食アスリート協会 副代表理事 一般社団法人 日本こども成育協会 アドバイザー 管理栄養士

    4万人以上の食サポートの経験から、日本人の体質とライフスタイルに着目し、お米(雑穀米)を主軸に「しっかり食べて太らないカラダづくり」を目指す独自のメソッドを確立。 これまで多くのトップアスリートや企業経営者、モデルなどへ食生活サポートやアドバイスを行い、テレビ・新聞・ラジオ・雑誌など多数のメディアに出演。 子どもから高齢者、女優やトップアスリートなど幅広いクライアントへの結果の出るアドバイスに定評がある。 20年におよぶ健康ブランディングの専門家として社員研修やメニュー開発、大人向け食育セミナーの監修、上場企業や全国の地方自治体と健康プロジェクトを推進するなか、「健康食育マスター講座」を主宰し、健康食育の専門人材育成にも力を注いでいる。 また、2008年より定食チェーン大戸屋の食育プロジェクトにて、社員研修、メニューアドバイス、食育セミナーの監修などを行う。 著書は、『~ズボラな人に朗報!~食べて飲んでおなかからやせる』(かんき出版)、『お腹からやせる食べかた』(講談社)など累計 10 万部を超える。 そのほか、食べてやせる具体策をお届けする無料メルマガ『おなかやせメール』も人気となっている。