「合鴨」とつくりました 2017年08月24日

魚沼産コシヒカリといえば広く知られた高級米で、多くの小売店に並ぶある意味身近なお米だろう。
そのありふれた魚沼産コシヒカリの中で、ちょっと違う栽培方法で育てられた「合鴨栽培コシヒカリ」を紹介したい。

この合鴨栽培とは、その名の通りアイガモを使って、稲を育てる究極のこだわりエコロジー農法である。
端的に言えば、田植え後の田んぼにアイガモを放ち、稲が育つまでお世話してもらうのである。
放たれたアイガモたちは自由に動き回り、雑草や害虫を食べていく。食べた雑草や害虫は排泄物となり、稲の養分として活用される。これにより除草剤や殺虫剤などの農薬を減らすことが出来、またアイガモたちの足が田んぼをかき回してくれるので、水中に酸素が補給され田んぼの活性化にもつながる。その為、茎太でしっかりとした稲へと成長していく。

ここまで読む限り簡単に思える。しかしこの農法、実はとても手間がかかるのである。
何故か。アイガモのお世話をしなければならないからだ。
まずアイガモは業者から農家さんが仕入れなければならない。自家でアイガモを増やせるのは大規模な農家さんのみであり、田んぼにアイガモは自然発生しない。規模に応じて仕入れを行うが、田んぼに使用できるのは雛がメインとなる。大きくなったアイガモを田植え後の田んぼに入れれば、たちまち稲まで食べ尽くす。害虫や雑草を食べるとはいえ餌としては足りなくなることもあるため、農家さんが用意する餌も必要になってくる。また、アイガモはタカ・トンビ・イタチなどの外敵に狙われるため、脱走・侵入防止の柵をつくり見守る必要がある。そして最後には、アイガモとお別れしなければならない。

この栽培は簡単ではない、人の手間が大変にかかっているのだ。
農薬が進化したこのご時世において、あえて選んだこの手法。それは手間と時間と愛情とをかけてできた米が、
自信を持って安全・安心、そしておいしいお米であると誇れるが故である。
「気候」・「土壌」・「水」の三要素そろった魚沼の地で、丁寧にアイガモと育てたこの合鴨栽培コシヒカリ。
ぜひご賞味いただきたい。
余談ではあるが、筆者は鴨南蛮+ざるそばが好物である。