新潟の美味しいお米はコシヒカリだけではない 2017年02月02日
新潟県のお米といえばコシヒカリ。そういったイメージが強いのではないだろうか。
少なくとも筆者はこうしてさまざまな米に触れる機会を得るまで、そのような考えを持っていた。『岩船コシヒカリ』のレビューでも触れたとおり、新潟県は『コシヒカリ三大産地』というコシヒカリの名産地を有している。その中でも魚沼産コシヒカリは有名で、スーパーマーケットで販売されているのを見たことがないという方は少ないだろう。
しかし、新潟県の美味しいお米はコシヒカリだけではない。
今回は前述の『コシヒカリ三大産地』に数えられる岩船地区で生産された、「新潟県産岩船こしいぶき」を紹介させて頂きたい。
岩船地区は『岩船コシヒカリ』のレビューでも触れたとおり、朝日山地を隔てて山形県との境に位置する、新潟県最北端の地域である。豊かな清流を有し、山間部に位置しているため日中と夜間の寒暖差が平野部より激しい。太陽の恵みを受けて作られた養分が、冷えた夜間にじっくりと蓄えられることから、日中と夜間の寒暖差があることは美味しいお米を作るうえで必要な条件として挙げられることが多い。地域的に見ても、旨みが詰まったお米を生産するのに適した土地であるとわかるだろう。
さて、『こしいぶき』という品種をご存じであろうか。『コシヒカリ』、『ひとめぼれ』、『どまんなか』などの品種を先祖に持ち、『越後(新潟)の新たな息吹』という意味を込めて名付けられたという、コシヒカリよりも新しい品種である。暑い夏の実りでも食味が落ちにくいという特徴を持っており、コシヒカリよりも栽培がしやすい。生産がしやすいこの品種は、比較的安価で購入できるため、家計にも優しいお米となっている。
では食味はどうであろうか。しっかりとした粒は噛むごとに爽やかな甘みが広がり、コシヒカリとはまた違った旨みがある。あっさりとした食味を持つこのお米は、同じ食卓に並ぶ料理の美味しさを引き立てるのに持って来いの一品であることだろう。しっかりとした食感で、冷めても食味が落ちにくいことから、お弁当などにも適している。安価であるからと言って食味が落ちることはなく、また違った美味しさを楽しむことが出来るのである。
このように、一口にお米と言っても品種によって多様な特徴がある。そのときにどのような食味のものが食べたいか、どのような料理と一緒に食べるかなどによって、お米の種類を選ぶのもよいだろう。これを読んで頂いた皆様も、普段から何気なく食べているお米を一度見つめ直して、さまざまな品種を試してみてはいかがであろうか。