自然の恵みと、「もうひと手間」 2017年02月01日

春の夜、ぼんやりと霞がかったように見える幻想的な月を、『朧月』という。日本では古くから、澄み渡るような秋の月とは対称的なものとして、朧月夜を楽しんでいたという。俳句の世界では季語として扱われ、かの有名な松尾芭蕉や与謝蕪村も、朧月に関する句を詠んでいる。

 今回は、そんな美しい月の名前を冠した、「北海道産 八十九 おぼろづき」を紹介させて頂きたい。

 まず、この「おぼろづき」という名前がどうして米の品種名として付けられたのだろうか。それは粒の外観を見て頂ければ明らかであろう。やや粒の大きいこの米は、全体的にうっすらと乳白色を呈しており、その様が霞む朧月のようだということから名づけられたそうだ。この特徴は、『低アミロース米』と呼ばれる、言わばうるち米ともち米の中間を取ったような米に見られるものであり、言わずもがな、この「おぼろづき」も『低アミロース米』に分類される品種である。

 『低アミロース米』はその名の通り、うるち米に含まれるデンプンの一つである『アミロース』の数値が、他のうるち米に比べて低いものを指す。うるち米には『アミロース』と『アミロペクチン』といった二種類のデンプンが含まれているが、一般的に『アミロース』の値が低いほど粘りが強く、柔らかい食感になるという。

 この「おぼろづき」は他の『低アミロース米』に比べると『アミロース』の値がやや高いが、だからこそ、「粘りはやや強いが柔らかすぎない」という望ましい食感が得られるものになっている。粒も大きめで、コシヒカリなどとはまた違った食感も楽しめる。加えて、「冷めても硬くなりにくい」という特徴もしっかりと受け継いでいるため、おにぎりやお弁当などにしても美味しさが続くだろう。

 そんな「おぼろづき」の中でも、さらに洗練されたものがこの「北海道産 八十九 おぼろづき」だ。一定の基準を満たす原料のみを使用して精米されるほか、製品の米袋にQRコードを記載しているため、ご家庭でもすぐに産地や品質の情報が得られるようになっている。

 「美味しさ」と「安心」を兼ね備えたこちらのお米を、是非とも一度味わって頂きたい。