「水の国」熊本の象徴 2017年08月08日

熊本県で震度7を観測する大地震が起きたことは記憶に新しい。地震が少ないと言われていた九州でこれだけの地震が起こると誰が予想できただろう。今回の震源地は熊本県のほぼ中部に位置する益城町であった。熊本県の稲作地帯である益城町でも地震の被害を受けた田んぼは少なくなかった。テレビニュースの映像で田んぼに亀裂が入った姿を目にした方もいらっしゃると思う。被害は我々が想像するよりも甚大で田んぼが無事でも自宅が崩壊し避難所生活を強いられる方もいる一方、幸い自宅は無事だったが、田んぼが被害を受け稲作が出来ないなど、今回の地震は熊本県の稲作に多大な影響を及ぼした。

熊本県は九州一の米どころだ。熊本県は阿蘇山を有し「火の国」のイメージが強いが、古代から阿蘇山の噴火活動で地下水を浸透・貯留させる独特の地層が存在し、全国でも稀な県内水道水源の80%を地下水で賄う豊富な水に恵まれた「水の国」でもある。ほかのレビューでも書いたが、稲作に水は欠かせないもので「きれいで豊富な水」はおいしいお米が育つ条件なのです。

前置きが長くなったが、そんな稲作に恵まれた環境で作られたのが「森のくまさん」だ。「森のくまさん」は九州の主要良食味品種であるヒノヒカリとコシヒカリを交配して作られた品種で平成9年から本格作付が始まった。ネーミングには「森の(もりの)都、熊(くま)本で生産(さん)された米」との意味が込められている。

炊き上がりは程よく白く、光沢と呼んでも遜色ないつやがあり、食欲をそそるごはんの香りが立ち込める。ふっくら軟らかく弾力のある食感は和のおかずに合うのではないか。熊本産の高菜と熊本のフタバ食品が製造するふりかけの元祖と言われる「御飯の友」と食べるとごはんが進む。凝ったおかずは特に必要としない。熊本の復興応援として食べ続けたいと感じた。