ごはんで解決!~寝つきを良くするには、1日3食、出来るだけ規則正しく食べる 2021年12月01日

寝つきが悪い・・というお悩みも私の元には多く寄せられます。特に寒くなってきたこの時期は「冷え」も重なりなかなか眠れない・・・というご相談が増えます。睡眠の質が悪いのは、身体のリズムが崩れているか、栄養にも問題があるかもしれません。

特にホルモンのバランスと自律神経が乱れると、寝つきの悪さや、目覚めの悪さに繋がります。

金沢医科大学の米山智子氏らの研究で、お米の摂取と睡眠の質には相関関係があるという報告があります。ごはんをしっかり摂った夕食後の睡眠は深い眠りに入り易いというものです。その研究では、麺類の摂取が多いと睡眠の質が悪くなるという結果でした。

実際に食のサポートをしていても、同じような現象に良く出会います。特に、糖質制限をして睡眠の質が悪くなった、逆に、ごはんをしっかり食べるようになってよく眠れるようになったなど、どちらの声もよく聞きます。

もうひとつの裏付けとして、必須アミノ酸のひとつであるトリプトファンは、食事から摂取しなければならない栄養素です。このトリプトファンは、体内でセロトニンという神経伝達物質に変わり、さらに、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンが作られるのです。トリプトファンは、肉や魚にも含まれますが、穀物と大豆にも多く、この変換作業には、炭水化物がエネルギー源として必要になります。ごはんとお味噌汁の食事は、睡眠にも理想的な食事と言えます。

また、寝つきには体温の変化も影響しています。

その肝が、朝ごはんを食べること!ごはんとお味噌汁を食べると体温上昇が早いので、リズムが整いやすくなります。一方、忙しいからとデスク前で、仕事をしながらパンをかじるのはNG。なんとなく食べ物を口に運ぶのではなく、きちんと食事に意識を向ける事も大切です。寝つきにはメンタルが大きく影響するものです。忙しい時こそ、デスクから離れ深呼吸でもして、食事だけでもゆっくりとってみましょう。食事環境を変えただけで寝つきが良くなった方も沢山います。

1日3食が難しい方もいらっしゃるかもしれませんが、食事は副交感神経と交感神経のスイッチングにも深くかかわっています。できれば1日3食規則正しく食べてみましょう。1日3食が難しい方は、ごはんの時間は、「ながら」で食べずに、ゆったりとした気持ちで食べるようにしてみてください。特に寝る前に、ごはんと温かいお味噌汁をしっかり食べるだけでも、寝つきは大きく変わりますよ。

津田 慶彦プロフィール

  • 東京都生まれ。CVSの米飯商品マーチャンダイザーから米専門商社に転身し全国の米を食べまわる。自宅には電気炊飯器が無く、米は土鍋で毎日ガスで炊くと言うこだわり。好きな品種はササニシキ。好きなおかずはきゅうりの浅漬けと納豆。