ごはんで解決! ~ポッコリお腹が気になったら、減らすのは、ごはんよりおかずです。 2022年10月03日

日もだいぶ短くなりましたね。日中の温度はまだ高めながらも、朝晩の気温は下がり秋の訪れを感じずにはいられません。家の近くの金木犀が、今年も香りを届けてくれています。

 

さて、前々回の8月のコラムで、食欲がない時は、「おかずを減らしてごはんを食べましょう」と書いたのですが、おぼえていらっしゃいますか?今回は、なぜおかずを減らした方が良いのか・・・について説明したいと思います。

皆さんは「おかずを減らしてごはんの量を増やす」と聞くと、どのように感じますか?私が今まで出会った多くの方々は、「えっ!」と驚かれます。色々な方々の食のアドバイスをしてきましたが、「『ごはんは残していいから、栄養のあるおかずを食べなさい』と言われて育ちました・・・」と、おっしゃる方が多いなーと実感しています。

 

特に最近では、糖質制限や炭水化物を制限するダイエットが流行っている影響もあり、ごはんを食べない人が増えています。でも私は、炭水化物の中でも「ごはん」を積極的にとることをおススメしています。脂質のほとんど含まれないごはんは、脂質過多の現代人には救世主ともいえる存在だからです。

私たちは、脂質を、主におかずから摂取しています。ごはんを減らしておかずを増やすと、どうしても脂質の割合が多くなってしまうのです。

もともと脂質の摂取量の少なかった日本人は、脂質の消化が苦手な体質です。脂質の多い食事は、消化に時間がかかってしまうので、胃の状態や腸内環境が悪化しやすくなります。胆汁などの消化液もたくさん必要となるため、肝臓や胆のうなどの臓器にも負担がかかります。体に負担をかけないためにも、「ごはん」をしっかり味方につける事が必要です。

 

最近では、日本人のお米を食べる量が激変しています。40年前の半分以下になり、さらに年々減り続けています。

こんなにもお米を食べる量が減っているにも関わらず、肥満や糖尿病が増えているのは、ごはんを減らすことで、脂質を増やしてしまっているから・・・とも言えます。それでも、「ごはん」には栄養がないから・・・と思っている方も多くいますね。ごはんの栄養は大半が炭水化物です。この炭水化物は、私たちの身体を動かすだけでなく、新陳代謝などの代謝機能をはじめとするあらゆる生命活動のエネルギーとなるものです。そして、実はタンパク質も含まれています。お肉に比べると足りないアミノ酸もありますが、大豆製品と組み合わせる事でお肉並みのたんぱく質になるので、心配する事はありません。

特に、太っているわけではないのにお腹だけポッコリしている・・・という方は、是非「ごはん」をしっかり食べておかずを減らしてみてくださいね。

柏原 ゆきよ先生プロフィール

  • 一般社団法人 日本健康食育協会 代表理事 一般社団法人 食アスリート協会 副代表理事 一般社団法人 日本こども成育協会 アドバイザー 管理栄養士

    4万人以上の食サポートの経験から、日本人の体質とライフスタイルに着目し、お米(雑穀米)を主軸に「しっかり食べて太らないカラダづくり」を目指す独自のメソッドを確立。 これまで多くのトップアスリートや企業経営者、モデルなどへ食生活サポートやアドバイスを行い、テレビ・新聞・ラジオ・雑誌など多数のメディアに出演。 子どもから高齢者、女優やトップアスリートなど幅広いクライアントへの結果の出るアドバイスに定評がある。 20年におよぶ健康ブランディングの専門家として社員研修やメニュー開発、大人向け食育セミナーの監修、上場企業や全国の地方自治体と健康プロジェクトを推進するなか、「健康食育マスター講座」を主宰し、健康食育の専門人材育成にも力を注いでいる。 また、2008年より定食チェーン大戸屋の食育プロジェクトにて、社員研修、メニューアドバイス、食育セミナーの監修などを行う。 著書は、『~ズボラな人に朗報!~食べて飲んでおなかからやせる』(かんき出版)、『お腹からやせる食べかた』(講談社)など累計 10 万部を超える。 そのほか、食べてやせる具体策をお届けする無料メルマガ『おなかやせメール』も人気となっている。