ごはん生活の効果的な実践法 ~食べかたのコツ① そしゃく~ 2018年08月22日

ごはんをしっかり食べることをお勧めしていると

「いやいや、食べてるけどやせないよ」とか、

「いわれた通りごはんを増やしたら太った」という方がまれにいらっしゃいます。

そんな方からよくよくお話を伺うと共通している点があります。

 

それは、食べ方です。

様々な健康効果が期待できるごはんですが、

食べ方が悪いと効果半減どころか、逆効果ということにもなりかねません。

とてももったいない!と思います。

 

そこで、今回は、「ごはんを効果的にする食べ方のコツ」をお伝えします。

「食べ方」の中でも、特に意識してほしいのは「咀嚼(そしゃく)」。

よくある質問として「何回かんだらいいですか?」と聞かれます。

かむ回数というのは、食材や料理によって変わるもので、一律に何回とはいえませんし、

回数を数えて食べるのは、修行のようで楽しくないですよね。

 

そこで、意識してほしいのは、「一回のお食事にどのくらいの時間をかけているか?」という点。

最近は、「早食い」の方が本当に多い!

食べるのが早い、ということはかまずに飲み込んでいるということ。

かまずに飲み込むことは体にとって負担が大きく、機能低下につながったり、

アレルギーなどの原因になるなど、食べ物が‘毒’にもなることがあるのです。

 

かむことが大事とは分かっているけどなかなかできない、というお声もよく耳にします。

でも、かむということは、あらゆる観点で体への影響がとても大きいのです。

そのことを知ったら、かまないともったいない!と感じ、意識も変わるのではないでしょうか?

「かむこと」のすごい効果トップ5をご紹介します。

 

  1. 太りにくくなる!

ゆっくり食べる→かむ回数が多くなる→かむ回数が多いほど胃や腸への血流が多くなる→消費カロリーが多くなる

つまり、良くかむ程にやせやすくなります。

東京工業大学大学院社会理工学研究科の林直亨教授の実験によると、

「1年間のエネルギー消費量は早食いの時より約11,000㎉増える。これは体脂肪1.5㎏の減量に相当する」とのこと。

これは大きな違いです!

 

  1. 血糖値が上がりにくくなる!

ごはんは糖質だから血糖値が気になる、という方も多いのでは?

確かに血糖値は上がりますが、エネルギー源として欠かせないものでもあります。

少しでも体の負担なく必要な糖質を取り込む方法は、良くかんでゆっくり食べるということ。

日本人は血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌するスピードが遅い傾向にあるため、

血糖値対策の観点からも早食いはNGなのです。

 

  1. 過食を防げる!余計な食欲がわかなくなる!

かむと脳に刺激が伝わり、食欲をコントロールする役割の視床下部が刺激されるため、

食べ過ぎを防ぐ効果があります。

日常的によくかんでいると食事での満足を感じやすく、余計な食欲がわかなくなる傾向があります。

さらに、適度に血糖値があがり、ある程度の重量のものが胃に入ることも満腹中枢を刺激する要素となります。

つまり、ごはんを良くかんで食べることは食べ過ぎを防ぐためにとても効果的なのです。

 

  1. 唾液の分泌量が増える!

唾液には、免疫力を上げる、代謝を高める、デトックス機能高める、胃腸の粘膜を保護する、

消化を促進し栄養の吸収を高める、若返りホルモンを分泌する、口腔環境を整え虫歯や歯周病を防ぐ、

など多くの働きがあることが知られています。

体の機能を高め、健康を保つうえでとても重要な役割があるのです。

唾液はかむことでたくさん出ますので、早食いでかまないなんてもったいない!

 

  1. 脳への刺激が増え、メンタルや脳機能に関わる!

上記③でも紹介しましたが、かむことは脳に大きな刺激を与えます。

毎日3回の食事をしっかりかんで定期的に脳に刺激を与えることで

自律神経のバランスが整い、さらにホルモンバランスにも影響するのです。

また、かむことで脳の血流がアップするということも脳機能に関わります。

以前のコラムでもご紹介しましたが、お米に豊富に含まれるトリプトファンというアミノ酸には

体内でセロトニンに変わりメンタルを安定させる機能があります。

ごはんを良くかんで食べることは、脳を元氣に保つうえでとても効果的です。

 

他にもあるのですが、今回は代表的な効果をご紹介しました。

「かむこと」のすごさ、大切さは伝わりましたか?

 

ごはんを食べて太る方は、ごはんのせいではなく、

食べ方の悪い自分のせいであることがほとんどです。

一度食べ方を見直してみてください。

 

食べ方のコツとして、早食いを防ぐ方法は今後のコラムでお伝えする予定です。

 

 

柏原 ゆきよ先生プロフィール

  • 一般社団法人 日本健康食育協会 代表理事 一般社団法人 食アスリート協会 副代表理事 一般社団法人 日本こども成育協会 アドバイザー 管理栄養士

    4万人以上の食サポートの経験から、日本人の体質とライフスタイルに着目し、お米(雑穀米)を主軸に「しっかり食べて太らないカラダづくり」を目指す独自のメソッドを確立。 これまで多くのトップアスリートや企業経営者、モデルなどへ食生活サポートやアドバイスを行い、テレビ・新聞・ラジオ・雑誌など多数のメディアに出演。 子どもから高齢者、女優やトップアスリートなど幅広いクライアントへの結果の出るアドバイスに定評がある。 20年におよぶ健康ブランディングの専門家として社員研修やメニュー開発、大人向け食育セミナーの監修、上場企業や全国の地方自治体と健康プロジェクトを推進するなか、「健康食育マスター講座」を主宰し、健康食育の専門人材育成にも力を注いでいる。 また、2008年より定食チェーン大戸屋の食育プロジェクトにて、社員研修、メニューアドバイス、食育セミナーの監修などを行う。 著書は、『~ズボラな人に朗報!~食べて飲んでおなかからやせる』(かんき出版)、『お腹からやせる食べかた』(講談社)など累計 10 万部を超える。 そのほか、食べてやせる具体策をお届けする無料メルマガ『おなかやせメール』も人気となっている。