「つくし」の国の元気なお米 2016年08月01日
私は福岡ソフトバンクホークスのファンである。母親が九州の出身で半分九州の血が混じっている事もあるが、幼少の頃、現役選手であった王会長のホームランに憧れ野球を始めたこと、巨人にいれば生涯安泰であったにもかかわらず、敢えていばらの道を選び、ダイエーホークス監督となり、苦労の末ホークスを常勝軍団に育て上げた王会長の生き様に感銘を受けたことが理由である。
前置きが長くなったが、そんな王会長が選んでくれた土地、福岡県のお米を紹介する。かつては福岡県を含む九州全域で生産されていた主力品種は「ヒノヒカリ」であった(いまも作付面積では主力)。しかしながら、かつて九州の気候に適していたヒノヒカリは、地球温暖化による稲穂の出る時期(出穂期 しゅっすいき)の高温により、でんぷんの充実が阻害された粉状質粒(通常のお米は半透明だが濁っている粒、俗に言うしらた米)の混入が増え、食味の低下、品質の低下が見られるようになったのである。
そこで福岡県は10年の歳月をかけ、県農業試験場で高温条件を人工的に再現できる施設を用い、夏季の暑さに強く、品質の低下しない水稲品種「元気つくし」を開発しました。名前は「暑さに強く元気に育つ、おいしいお米」、「食べる人に元気をあたえる、おいしいお米」の意味をこめ、「元気」と福岡県の旧国名「つくし(筑紫)」を合わせ「元気つくし」となったとのこと。
今回試食した「めし丸 元気つくし」は生産者の「めし丸元気つくし研究会」が企画した商品で精米袋からキャッチフレーズまで研究会が決定する。研究会では生産段階では生産履歴記帳、残留農薬検査を、流通段階では精米工場を指定、品質にこだわりめし丸ブランドを作り上げている。商品コンセプトは「炊き立てうまい!」「冷めてもうまい!」「春夏秋冬いつでもうまい!」、誰がどのように作ったか分かるお米だ。
炊き立ては粒一つ一つがしっかりとしていて、輝かしいつやと粘りがある。そのまま食べても十分に美味しいが、しっかりとした粒が卵かけごはんや丼ものなどに合うのではないかと思わせる。冷めても粘り、もちもち感は損なわれず、おにぎりやお弁当にして時間をおいて食べたとしても満足感を得られると感じた。
王会長の言葉で好きな言葉がある。「努力は必ず報われる。報われないとしたら努力が足りないのではないか。」元気つくしはまさしく関係者が努力に努力を重ねた結果が報われ、誕生した美味しいお米であると感じた。