「魚のゆりかご水田米」滋賀県産秋の詩 2017年10月12日

古くから関西圏の料理人に好まれてきたお米、「江州米」をご存じだろうか。今の滋賀県付近での米の総称で、京の料亭などで使われてきたこの伝統的なお米は、今はその名を「近江米」と呼び、関西圏の食卓に並んでいる。近江米にはコシヒカリやみずかがみ、日本晴など様々な銘柄米があるが、なかでも滋賀県オリジナルの秋の詩(あきのうた)を紹介する。
滋賀県は環境こだわり農産物という認証制度を活用し、農薬の規制や農業排水による汚濁防止(琵琶湖の保全)等を行っており、全国でもトップレベルの環境保護・安全安心米の実現を行っている。雄大な琵琶湖を見て育った農家さんには、環境への強い意識がある。琵琶湖と山々のもたらす豊かな環境を守り、また、おいしさへとつなげていることが、滋賀米・秋の詩の魅力の一つであるといえるだろう。
秋の詩は滋賀県でのみ栽培される銘柄であり、平成10年から栽培が始まった。「吟おうみ」と「コシヒカリ」を親に持ち、おかずに合うあっさりとした味わいと適度な粘りを持つ。あっさりとした味はおかずの邪魔にならず、組み合わせの自由度は高い。和洋折衷バラエティに富んだ家庭のおかずを食べる日本人に最適な米なのだ。さらにコシヒカリやひとめぼれに比べてやや大粒で、しっかりとした粒を感じることが出来る為、いつもの米と同じ量を炊いても満腹度は高いだろう。コシヒカリを親に持つため、冷めてもおいしく味わえる。おかずとの親和性と粒感から弁当で大いに活躍する。
滋賀のみで育てられているため、関東圏では馴染みのない銘柄ではあるものの、日々の弁当へのアクセントとして是非試していただきたい。